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FAQ Frequent Ask & Question.
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セイラムサンプチューブは20Fr以上ではないとだめか。20Fr(6.7㎜)以下では閉塞することが多いので20Fr以上を推奨しています。 ドレーン径が細すぎるとNPWTの陰圧に負けてドレーンが潰れ閉塞する危険がある為、最低でも18Frまでのサイズを推奨しています。 ※指や足趾など太いチューブが留置できない場所は例外です。
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セイラムサンプチューブは薬液を注入するルートと回収するルートが1つになっているダブル回路のため、流した薬液がすぐ回収されてしまったり、ショートカットが起こるのではないか。多少のショートカットは起きるが、閉塞してしまうよりは良いと考えています。注入と排出を分けた時に、うまく回収できずに予期せぬところにたまる方が問題です。
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iMAPピンはどこで入手すればよいか。キューベックスメディカル HPURL
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ゲンタマイシンが使用できない時は何を使用したらよいか。ゲンタマイシンを第一選択としてはいますが、ゲンタマイシンにアレルギーがある場合や、効果不十分の場合はアルベカシンを第二選択としています。ゲンタマイシンは原核細胞の細菌には効果があるが、真核細胞の真菌には薬理効果がないため、抗真菌薬を使用します。
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吸引にSBバックやJ-VACなどを使用したいポータブルの吸引バックでは、陰圧が保たれないため推奨していません。圧が抜けると人の手で加圧する必要があり、閉塞時にアラームが鳴らないため、管理に手間がかかります。
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NPWTの選択基準はあるか。(コットンフィラーとフォームフィラーの選択基準)皮膚の上にはコットンが、軟部組織にはフォームが推奨されます。
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延長チューブの推奨径は。細い方が望ましいです。太いとライン内に多量の抗菌薬を取られる為、小児用か微量用のチューブを使用しています。
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セイラムサンプチューブの閉塞を防ぐための術中と病棟管理の工夫は?術中はフラッシュした液が速やかに排出されるか確認します。排出が不十分な場合はCLAPの経路を再び確認します。 術後にフラッシュをして十分に排液が排出されない場合は、チューブのメイン回路をミルキングして血種やデブリスを引き出します。それでダメならサンプ回路から生食水や空気でフラッシュしながらミルキングを行います。それでもダメなら、チューブを接続部から外して、カテーテルチップの注射器で吸引しながら、ミルキングとフラッシュを行います。
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iMAPピンからの薬液漏れを防止する方法はあるのか。薬液漏れを防止する為、iMAPピンのシャフト下径とスレッドの山径は同じになっています。ネジの効きが悪いのはその為です。できるだけドライバーの軸をぶらさない様にいれる必要があります。入りにくいときは尾部を軽くハンマーで叩く事も許容します。 留置後に刺入部から液漏れがある場合は、骨孔が拡大していると判断します。新しく設置する位置は、開けた孔よりiSAP tubeに近い位置にしてください。先に開けた孔から漏れる事は避けられませんが、iSAPからの陰圧で最小限にとどめることができます。
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iMAPピンを挿入した後、ピンが詰まることがあるがその場合どうするか。iMAPピンの横穴の中に骨屑が詰まっている場合は、1.2mmのK-wireの先端を逆にして穴の中を押し出してみてください。iMAPピンまたはドライバーの後部にシリンジを装着して生食水をフラッシュしてつまりを解除してください。それでも詰まっているようなら、一旦ピンを抜いて孔に詰まっている骨屑を取り除いてください。
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セイラムサンプチューブの本数は何を基準に決めるのか死腔や関節腔の大きさで決めます。また筋膜や関節など、異なる層に広がる場合は、深層と浅層に設置することもあります。
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iMAPピンから薬液が出ているかどのように判断すればよいか。iMAPピンを刺入したら、ピンの後部またはドライバーの後部にシリンジを取り付けて生理食塩水を髄腔内に注入してください。排出路となる骨折部や瘻孔から排出できることを確認し、そこにiSAP tubeを設置します。iMAPピンから注入した生食水がiSAP tubeから排出すると骨髄血が次第に透明な生食に変わっていくことで灌流していることが確認できます。
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インプラントを入れたままiMAPを実施するのか。緩みのないインプラントの場合は、インプラントの温存を推奨しています。固定が不十分な場合は抜去して再置換または内固定を追加します。感染の制圧のためには骨の安定化が優先されます。
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NPWTの陰圧値の基準はあるか。基本的には-60㎜Hgとしてください。十分に引けない場合は-80㎜Hgに、薬液の注入速度が早くなるような引きすぎるケースでは、-40㎜Hgにしてください。
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セイラムサンプチューブの留置位置は何を基準に決めるのかまずゾンテ等を用いて死腔の範囲を断定します。死腔の長軸方向の先端にセイラムサンプチューブの先端を位置させます。死腔が大きい場合は、全長に渡って流出口が配置されるよう、ハサミで流出口を切って追加します。更に層が広い場合や複数箇所に分かれている場合には、複数本のセイラムサンプチューブを使用して、死腔の全体に抗菌薬が行き届くよう位置させてください。
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抗菌薬の出口のない慢性骨髄炎などのときはどうするのか。太めのKirschner鋼線(大腿・脛骨の場合は2.0㎜程度)で多数の骨孔を作成して抗菌薬の出口を作ってください。
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iMAPピンはどこに何本設置すればよいか。病巣が骨幹部にあり、骨髄炎がその近位と遠位に拡散している場合、病巣を跨いで2本設置します。骨折線が骨幹端部にある場合は、骨端部にはピンが打てないケースが多いため、病巣より中央部にピンを1本設置します。
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血中濃度はどのくらいの頻度で測定しますか基本的には術後48時間で1回目の測定を行い、その後週1‐2回程度で測定してください。
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薬液の注入を終了時にドレーンは抜去してよいか薬液注入終了後、排液がなくなるまで1‐2日前後ドレーン留置しNPWTからの吸引は持続しています。
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血中濃度と排液濃度の測定は両方必要か。排液濃度は参考値であり局所の灌流効率の判断となります。 血中濃度は安全性の確認のため必須です。 トラフ値は1μg/dL以下であり1μg/mlを超えると投与濃度を減量してください。投与濃度を変えても血中濃度を下げる効果は少ないです。
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何を基準にiSAP/iMAPの終了の判断をされているか。臨床所見(腫脹や排膿等)や炎症関係(WBC、CRP等)の採血データで判断しています。またアルブミンの数値が一旦低下した後に再上昇の傾向がみられたら感染が沈静化に向かう指標になります。


