Surgical procedure for iSAP.
1.
Plan
iSAPを留置する位置を決定するため、皮下のポケットになった範囲を確認する。ゾンデなどでポケットの辺縁をトレースして、皮膚の上にマーキングする。それが広範囲である場合は、2,3本のチューブを使用することもある。その領域で感染巣から一番遠いところにポケットの先端が来るようにデザインする。またマーキングしたところから3cmほど離れたところに、ドレーンの刺入部を設けてペアンなど用いて皮下を通して目的の位置まで誘導する。
2.
Debri
ポケットは必ずしもすべて開放する必要はない、壊死組織が多い場合は開放して掻爬する。開放して管理するより、閉鎖空間にして管理することを推奨する。'dead space'はCLAPにとって、抗菌薬が広がる'active space'として利用できる。なるべく太いチューブを用いて術後も継続的に壊死組織を排出させることを期待する。このため術中に過剰にdebridementをする必要はないと考える。
3.
Tube Insertion
infusionとdrainageのチューブを分けた事もあったが、うまく液が循環せずに意図せぬところに貯留するため、double lumen tubeを採用することでトラブルが減った。ドレーンチューブとして多少の短絡はあっても、閉塞するほうが問題なので、double lumenのチューブを強く推奨する。閉塞を防止するためには、20Frのセイラムサンプチューブが望ましい。
一般的な洗浄の手法として、「死腔に入り口から洗浄液を圧入する」と菌を含んだ液が深部に広がるので、推奨しない。チューブを最深部に留置してサブチューブから洗浄液を流して、メインチューブから回収することで、「深部から開口部に液を洗い流す」ことができる。
4.
NPWT
創の閉鎖を行う際に、最終的に閉創できなくても、ある程度皮膚を寄せておくと後に腫脹が引けば楽に閉創できることも多い。創の上からNPWTを装着する。創からでてくる浸出液を吸引する効果と、ポケットなったところを表面から圧迫する効果もあるので、マーキングした範囲にコットンを置いて被覆する。陰圧をかけてもれなくシーリングできたことを確認する。
5.
Connect
RENASYSの吸引チューブにYコネクターを用いてセーラムサンプチューブと連結する。Yコネクタの連結部を切ってセイラムサンプチューブを連結管を用いて連結する。この操作が最も重要で、深部に置いたチューブと表層に漏れ出す浸出液を同じ吸引圧で持続的に吸引できる。また陰圧がかかりすぎると、陰圧を調整する穴から空気を取り込んで陰圧を下げる。まら、空気漏れがある場合は陰圧を強くして漏れがなくなることを期待する。サブチューブから液体を持続的に注入することで、サンプ効果が期待でき回路の閉塞を防止できているのではと思われる。
6.
Final check
最終的に構築した経路で、閉塞なく洗浄できることを確認して手術を終了する。iMAPを併用する場合はiMAPから注入した液がiSAPに回収されることを確認する。